「カラー×サンライズ」夢の共作が実現!
2024年12月 「ガンダムカンファレンス WINTER 2024」で
新作ガンダムシリーズの制作が発表されました。
制作は、スタジオカラー×サンライズ
もはや説明不要の強力タッグによる突然の制作発表は、ガノタに衝撃を与えました。
TVシリーズに先駆け、劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が、
2025年1月17日(金)より公開。
大ヒット上映中!
公開初日から3日間で興行収入5.98億円、観客動員35万人超のロケットスタート!
公開初日後のSNSでは、ネタバレを控えながらも感想を述べるポストがトレンド入りしました。
その感想は、賛美の嵐!
否定的な意見が見当たらない。
そして、「ネタバレを見る前に、早く劇場に観に行った方がいい!」というポストも。
これは今までのガンダムと明らかに違う盛り上がり。
早く行かないとやばい…と慌てて劇場に走りました。
ガンプラ「HG ガンダムジークアクス」はやっぱり売り切れでした。
公開初日にヨドバシに行ってみたら、夕方くらいでしたが在庫があるのを見かけたのですが。
買っておけばよかった…。
”一部ネタバレ”プロモ解禁!
公式サイトが、一部”ネタバレ”を含む「Promotion Reel」を解禁!
このブログでは、”ネタバレあり”で感想を述べます。
映画未見の方は、ご注意ください。
『ジークアクス』という作品の正体は一年戦争でジオンが勝利する仮想世界
劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の正体は、
1979年に放映された『機動戦士ガンダム』の世界線を
「ジオン公国が連邦に勝利する」仮想世界として設定した『一年戦争編』、
戦後、主人公アマテ(マチュ)が、正体不明のモビルスーツ「ガンダム」に出会い、
非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に身を投じていく『U.C.0085編』の2部構成で展開されるストーリーと判明しました。
従来の宇宙世紀のガンダムシリーズとは異なる歴史の流れを描いた
「シン・宇宙世紀」の物語の序章といえる作品です。
(前史)一年戦争編
古参ガノタにガンダム史上最も衝撃を与えた前半パート。
「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになってすでに半世紀が過ぎていた。
地球のまわりの巨大な人口都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。」
冒頭のナレーションから、ジオンのザクがサイド7に潜入するカット。オリジナルのファーストガンダムと全く同じレイアウトで物語が進んでいきます。
冒頭3分間の映像を観て、あまりの衝撃に言葉を失いました。
「これはやばいっ! やってくれたなスタジオカラー!」
これはもはや、庵野秀明が描く「シン・ガンダム」である
庵野秀明氏がプロット・脚本・絵コンテ(前田真宏氏と共作)を担当。
マチュたちが登場するU.C.0085の前史にあたる一年戦争とシャアについて総括した物語です。
庵野:僕としては、「シャアが赤いガンダムに乗って戦う」物語が本来描きたかった企画だった
引用元:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』豪華版パンフレット ©創通・サンライズ
ファーストガンダムの世界線(U.C.0079)を基盤に、シャアがガンダムを強奪するところを分岐点として、ジオンが一年戦争に勝利する仮想世界が描かれました。
赤く塗り替えられ「ガンダム」に乗り込むシャア。
これってまさに「ギレンの野望」のキャスバル専用ガンダムじゃないですか!
ガノタには既に説明不要の同人誌的なIF展開を、
ガンダムの新シリーズでやってしまうとは。
「一年戦争編」は、シャアとジオン公国にフォーカスを当てた物語となっており、
ホワイトベースもガンダムと共に鹵獲されてしまったので、アムロやホワイトベースのクルーは登場しません(今のところ)。
アルテイシアは、まさかの連邦側のエースパイロットとして登場。
庵野氏が、「オレが一年戦争を描くならこうやるんだ!」と言わんばかりの怒涛の40分。
メカ・キャラの人選・劇伴・エフェクト、どれを取ってもとにかく最高!
これはもはや、劇場先行版『シン・ガンダム』といっても過言ではないでしょう。
ソロモン会戦も含めた完全版を制作して欲しい!
U.C.0085編
榎戸洋司氏(シリーズ構成)が、脚本を担当。
『ジークアクス』本編といえる後半パート。
一年戦争から5年が経過したU.C.0085
サイド6のイズマ・コロニーに住む女子高生アマテ・ユズリハが、警察に追われる少女ニャアンとぶつかったことから物語が動き出します。
アマテ(マチュ)は宇宙世紀の物語において王道を歩む主人公
本作の主人公アマテ・ユズリハ(マチュ)は、どこにでもいる高校生。
マチュの母親の職業はサイド6の監査局の職員なので、経済的にはむしろ恵まれている方と思われる。
引用元:ガンダムチャンネル【ネタバレ注意】『機動戦士Gundam_GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』Promotion_Reel
©創通・サンライズ
「空は頭の上じゃなく、足の下にあるんだ。コロニー生まれの私たちは、本物の重力も本物の空も知らない。 もちろん本物の海も。」
スペースノイドのマチュは、不自由ない日常に違和感を抱き、偽物ばかりの現実世界に鬱屈している様子が伺えます。
これは『ガンダムUC』のバナージ・リンクスと同様に、この世界を抜け出すきっかけを潜在的に求めていたのかもしれません。
アンキー姐さんは、ナディアのグランディス姐さんにしか見えない
非合法のMS用デバイスを偶然手に入れたマチュは、ニャアンと共にジャンク屋「カネバン有限公司」を訪れます。
「カネバン有限公司」にいるメンバーは皆、若者ばかり。
「ジャンク屋にいる若者たち」と聞くと、同じ宇宙世紀作品の『ガンダムZZ(ダブルゼータ)』のジュドーと仲間たちを思い起こさせます。
ジュドーたちもジャンク屋家業で生計を立てていました。
引用元:ガンダムチャンネル【ネタバレ注意】『機動戦士Gundam_GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』Promotion_Reel
©創通・サンライズ
「カネバン有限公司」の女社長アンキーのキャラを観た瞬間、
真っ先に『ふしぎの海のナディア』のグランディスが思い浮かんだ。
CV:伊瀬茉莉也さんの演技も素晴らしくて、アンキー=グランディスのような姐さんキャラがすっかり定着しました。
きっと、グランディスと同じように、アンキーもマチュを導いてくれる重要な役回りになるのではないかと期待しています。
スペースノイドの現状
「スペースノイドは自由になれない。いつまで経っても苦しいもの」
サイド6でジャンク屋を営む「カネバン有限公司」の女性社長アンキーの台詞。
一年戦争でジオン公国(スペースノイド)が勝利を治めた世界であっても、スペースノイドは不遇な立場は変わらないことを暗示しています。
エヴァ的なメタワード3選
ゼクノヴァと消失したシャア
サイコミュ暴走によって引き起こされたセカンド◯◯◯◯◯並にヤバそうな超常現象。
そのエネルギーは、要塞ソロモンの軌道を変える程でした。元の宇宙世紀でいうところのアクシズショックのようなもの。
「刻が見える…」
シャアは誰と話していたのか。
ゼクノヴァによって行方不明となったシャア。
赤いガンダムに取り込まれたのか。
それとも、刻と越えて、”向こう側”のオリジナルの宇宙世紀の世界線とつながったのか。
シャロムの薔薇
グラナダの地下の実験場にあったオブジェクト。
ソロモン爆破作戦のゼクノヴァ発生時になぜか消失。
これ以外は何もわからない(笑)
エヴァでいうとこの、ネブカド◯◯◯の鍵のような存在。
歯があるジークアクス
「コイツ、歯があるな…」
ジャンク屋「カネバン有限公司」のケーンは、MSジークアクスの頭部に歯のようなものがあることを発見します。
やっぱり、ジークアクスも暴走すると口が開くのでしょうか。
ここが良かった胸熱シーン2選
強襲揚陸艦ソドンの正しい使い方
連邦に奪取された宇宙要塞ソロモンを破砕するために、
シャアはソドン(ホワイトベースから改名)でソロモンに上陸作戦を行います。
ソロモンの外壁を打ち破るシーンでは、
ソドンの前足のアームが伸縮するサスペンションギミックと、対ショックの流れが丁寧に描かれていました。
「敵地を強襲して揚陸する」
戦闘艦の肩書通りの能力をいかんなく発揮したソドン。
マクロス艦もそうですが、大質量の塊が強行突破する姿はカタルシス感があって、めちゃくちゃカッコよかった!
「ニュータイプ シャリア・ブル」をフィーチャーした絶妙な人選
オリジナルのファーストガンダム(TVシリーズ)では、1話のみの登場となったニュータイプ シャリア・ブル。
富野監督が執筆した小説版では、シャアとシャリア・ブルは、打倒サビ家のための共闘します。
『ジークアクス』の「一年戦争編」では、シャリア・ブルを小説版のように重要な役として扱ってくれたのが何より嬉しかったです。
ガノタが観たいと思っているところがわかっている!
『ジークアクス』では、シャリア・ブルが「一年戦争編」と「U.C.0085編」を繋ぐ重要な役回り。どんな活躍をするのか非常に楽しみです。
『ジークアクス』は令和版「シン・宇宙世紀」の始まりかもしれない
『ジークアクス』は、従来の宇宙世紀とは異なる歴史の流れを描いていますが、「宇宙世紀のガンダム」の本質をしっかり押さえている作品でもあります。
- 戦争の現実と人間性
- 人間どうしの戦争の本質的な側面を描いています。リアルな戦争描写と登場人物の心理的な成長
- 成長と葛藤
- 「君は生き延びることができるか」のキャッチフレーズに代表される
戦争に突然巻き込まれた若者たちの心理的成長と、戦争がもたらす精神的な葛藤 - 人類の進化:ニュータイプの概念
- 人類の革新的な可能性について
『ジークアクス』という作品の特筆すべき点は、
「ニュータイプについてきちんと描かれている」ところです。
引用元:ガンダムチャンネル【ネタバレ注意】『機動戦士Gundam_GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』Promotion_Reel
©創通・サンライズ
鶴巻:宇宙世紀というのはすなわちニュータイプの物語だと思うので、最初から扱うことは決めていました。ただし、あまりネガティブにならないようにとは思っていました。
引用元:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』豪華版パンフレット ©創通・サンライズ
原作者:富野由悠季監督以外で、「ニュータイプの概念」について描いた宇宙世紀作品は、近年だと『ガンダムUC』(2010)くらいと数は少ないです。
宇宙世紀とは異なるオルタナティブ作品になりますが、高松信司監督の『ガンダムX』(1996)は、「ニュータイプの概念」についてのひとつの答えを提示した作品でした。
物語の序章から、ここまでしっかりと「ニュータイプ」を扱う作品は、
『ジークアクス』が初めてではないでしょうか。
「ニュータイプ」という大きなテーマについて、
『ジークアクス』がどこまで踏み込むかは未知数ですが、
「宇宙世紀、ニュータイプ」とガチで向き合ってくれる鶴巻和哉監督とスタジオカラーにはリスペクトしかありません。
初めてのガンダムが、SEED以降という世代も多くなってきました。
ファーストガンダム未見の人が、『ジークアクス』をきっかけにファーストを観てくれると嬉しいですね!
『ジークアクス』の魅力は、ファーストガンダムを知っておけば、本作が更に45倍面白くなるポテンシャルを持っているところです。
今後、TVシリーズという媒体で、まだ誰も観たことがない「シン・宇宙世紀」を毎週観られるなんて、ファースト世代の古参ガノタはワクワクしています。