2023年9月9日〜11月12日まで福岡市美術館で開催された
展覧会「日本の巨大ロボット群像 -巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」に行ってきました。
2023年9月9日(土)開催初日に参加。
当日の気温33度。
残暑というよりも、まだまだ夏真っ盛り。
福岡市美術館
展覧会では、銀河万丈さんと水樹奈々さんの音声ガイドが聞けます。
展示内容
ロボットが溶け込む日常
横浜ガンダム・鉄人28号・スコープドッグ・イングラム。実物大のロボット達の勇姿を動画などで紹介しています。このエリアは撮影禁止でした。
鉄人28号
1960年から各年代で制作された鉄人28号が紹介されています。
鉄人は未見です。スパロボでも2軍扱いでした。すいません…。
最初の鉄人は特撮。鉄人の着ぐるみは、当時の時代を感じさせる貴重な資料です。
1970年代編
マジンガーZ
ロボットは操縦するものから、人が実際に乗り込むのものに進化。
光子力研究所の発信シークエンスが解説されています。
ゲッターロボ・ゲッターロボG
合体というよりはメタモルフォーゼ(変身)。状況に応じて3パターンに変化できる。その合体工程を解説しています。
鋼鉄ジーグ
超電磁ロボコンバトラーV
合体の進化。玩具を想定した破綻しないデザイン。
勇者ライディーン
変形。安彦デザインが美しい。
宮武一貴氏の巨大絵画(巨大ロボットを巨大に描く)
高さ2.6m 横6mの巨大絵画。
マジンガーZ・コンバトラーV・ライディーンの勇姿!圧巻です。
メカニックデザイナー宮武一貴氏描き下ろしの作品。眼福ものです。
本展覧会の見どころのひとつ。
巨大なキャンバスに描くのは初めての試みで、制作には苦労もあったようです。
本人曰く、「僕は画家じゃないから、画材に拘りはない」そうです。
宮武一貴氏を紹介している展示もあり、本作品の制作にあたってのコメントが寄せられています。
ロボットのハイライト部には、修正液が使用されています。
特別出品で展示されている「ザンボット3」も最高にかっこいい!
また、次回巡回する神奈川会場からは、
新たな巨大絵画も追加予定とか…。
新たなロボット群は、
ガオガイガー・ビッグオー・ゲキガンガー3
本展覧会でも紹介されている90年代ロボットアニメからの選抜です。
会場には、原画も展示されていました。
スタジオぬえ編
宮武一貴氏繋がりから、自身が所属している「スタジオぬえ」の仕事も特別展示で紹介されています。
日本のSFロボットアニメを語る上で、必然の流れです。
ゼロテスター
和製サンダーバード
テスター1は宮武一貴氏のデザイン。
宇宙戦艦ヤマト・超時空要塞マクロス
ヤマト・VF-1バルキリー・SDF-1マクロス艦の設定資料が展示。
このエリアは撮影禁止でした。
軌道都市(加藤直之氏オリジナル)
スタジオぬえ所属の加藤直之氏オリジナルの世界観で描かれた軌道都市とモビルスーツ。
宇宙の戦士
ガンダムのモビルスーツのデザインに強い影響を与えた
SF作家ロバート・A・ハインライン執筆のハードSF作品「宇宙の戦士」に出てくる機動歩兵。
宮武一貴氏がデザインを担当、加藤直之氏が描いた挿絵とともに
等身大の機動歩兵が迎えてくれます。
機動歩兵の裏側
パイロットスーツが描かれていて、パワードスーツ感が伝わります。
加藤直之氏描き下ろしのイラストもカッコいい!
機動戦士ガンダム
18mの等身大ガンダムが床に横たわっています。
直立する実物大のガンダムとは異なる「巨大さ」を感じられる展示です。
ガンダムの武装類も比較展示されているのがいいですね。その大きさに驚きます。
これを毎回整備するのは大変でしょうね。人手が足りないからアムロも整備に狩り出されるわけです。
マジンガーZに比べて、身長は随分と低くなりましたが、
こうやって見ると、全長18mでもまだまだ大きいと感じます。
物語の演出で使用されたガンダムの部位に解説があります。
機動戦士ガンダム最終話「脱出」での一コマ。
各パーツを切り離すときのアムロはこんな感じに見てたんだなと。
こんな妄想遊びができます。
1980年代編
ルパン三世(TV版PART2)
最終話「さらば愛しきルパンよ」に登場するロボット兵「ラムダ」
宮崎駿氏デザインのロボットも紹介されています。
デザインはラピュタのロボット兵と同じなのかな…。
勉強不足ですいません…。
メガゾーン23
ガーランド!
等身大のガーランドを拝める日が来るとは。
カッコいい!
身長は4mちょっと。
大きさが程よくて、これなら現実世界でも存在しそう。と妄想が膨らみます。
バイクに乗った風の写真も撮れます。
戦闘メカ ザブングル
大小様々なウォーカーマシンがあると大きさがよくわかる展示。
装甲騎兵ボトムズ
AT(アーマード・トルーパー)。
身長はガーランドと同じ4mくらい。
マジンガーZからここまで辿ると、ロボットのサイズは随分小さくなったと感じられます。
降着姿勢も展示されているところがいいですね。これなら乗りやすそう。
これで戦場に出るなんて、まさに鉄の棺桶そのもの。
稲城市の実物大ATも見に行きたいです。
貴重なモックアップのスコープドッグも展示されています。
太陽の牙ダグラム
ダグラムは、特徴的な頭部を実物大で展示。
内部メカ編
メカの内部構造のデザインの変遷と内部構造を再現したプラモデルが紹介されています。
永野 護編(FSS・花の詩女 ゴティックメード・エルガイム・Zガンダム)
「FSS(ファイブスター物語)」、「花の詩女 ゴティックメード」、「重戦機エルガイム」、「機動戦士Zガンダム」から永野護氏がデザインしたロボット群の設定画が展示。
ムーバルフレームなど、ロボットに緻密な内部構造を取り入れた革新的なデザインを見ることができます。
1990年代以降編
地球防衛企業ダイ・ガード
勇者王ガオガイガー
THE ビッグオー
ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
機動戦艦ナデシコ(ゲキ・ガンガー3)
主に設定画と解説がメインで、実物大モデルの展示はありませんでした。
1980年代でデザインや設定考証が隆盛を極め、飽和状態となったロボットアニメ。
1990年代以降は、
マジンガーZなどに代表される70年代の作風への原典回帰や、
さらなるリアル路線の深化、
ロボットアニメの多角化が進んでいると解説されています。
各界識者からのコメント
物販エリア
福岡市美術館の隠れスポット
福岡市美術館の2Fには、書籍コーナーが設けられています。
過去に同美術館で行われた企画展にまつわる書籍も読むことができます。
富野由悠季の世界
宮武一貴画集
これが無料で読めるってすごくないですか。
ありがたいことです。
福岡市美術館にお越しの際はぜひ。
所要時間
物販も含めて、2、3時間くらいで完走しました。
永野護コーナーまでは、相当時間を費やしましたが、
1990年代以降は、設定資料による解説がメインで、
既知の内容が多かったのでサクサク進めました。
まとめ
以上、日本の巨大ロボット群像イベントレポでした。
ここがおすすめポイント
- 宮武一貴氏の巨大絵画が見られる
- ロボットの大きさを実寸サイズでリアルに感じられる!
- 写真が撮れる(展示品の7割くらいは撮影可能でした)
1970〜1980年代のロボットアニメ直撃世代にとって至福の時間が過ごせました。
今回の福岡会場以降も、神奈川、京都と巡回する予定なので、
足を運んでみてはいかがでしょうか?